商談が成功しない、相手に指導権を握られて思ったように進まない。
そんな経験ないですか?それは相手が有利なような環境を作っているからです。
今回は年間100億円以上の購買経験をもつ現役社員の私が使っている交渉テクニックを説明いたします。
こんな方におすすめ
- 営業の仕事をしている人
- 購買部と交渉をしている人
- 商談で主導権を持てない人
交渉環境
商談は必ず自分のホームで
メリット
リラックスでき場の雰囲気も味方になる
ホームチームの有利な点はスポーツでも結果が出ています。
サッカーだとホームチームのほうが勝率が高くなります。
J1での勝利数5159試合のうち、ホーム・アウェイの勝利数と勝率を調査したところ
ホーム | アウェイ | |
勝利数 | 2877 | 2282 |
勝率 | 42.47% | 33.69% |
ホームチームが勝率が高くその差は9ポイント近くと大きく出ています。オリンピックも自国開催選手が良く活躍しますよね?
デメリット
商談場所を変えられない
営業は相手の会社で商談を行うのが常識で、変更するのは難しいですよね?
その場合の解決策は『上司か同僚をつれていく』こと。
場所を変えられないのであれば雰囲気を変えるしかありません。相手より数が多いことにより心理的なプレッシャーを与えられ悪くても五分五分の交渉ができます。
商談は15:00以降
大事な商談を行うときは15:00以降にしましょう。
15:00以降は疲れが出てくる時間であり、思考力が落ちる時間帯です。かの独裁者の夕暮れに演説をし、高い支持を得ておりました。
逆に午前中は頭がさえていますのでクリエイティブな商談や会議は早い時間に行うほうが効果的です。
提案や交渉案は3パターン用意
提案や交渉案は複数パターン用意しましょう。
1パターンの場合、ほかに選択肢がないため価格を下げる以外の選択肢がありません。
しかし、複数パターンを用意することにより交渉に幅を持たせることができます。
たとえば缶コーヒーを仕入れをするとします。
価格 | 数量 | 納期 |
120円 | 5000本 | 1週間後 |
100円 | 10000本 | 1週間 |
110円 | 5000本 | 2週間 |
1パターンなら数量も納期も価格も交渉の余地はありませんが、複数パターンあれば相手の妥協点を引き出せる可能性があります。
上の表ですと納期を長くしてもらうか、数量を増やしてもらえれば安くできると条件を付けて交渉できます。
また、交渉のたたき台にもなりますのでおすすめです。
複数の選択肢を用意しておらず、交渉にならないことも多いです。
その場合、会社への持ち帰りとなるため時間ばかり過ぎていく・・・
出来る営業は何パターンか準備し、商談に挑みます。
松竹梅を用意
商品を売り込む場合、松竹梅を用意することも効果的です。
梅:性能が弱いがコストも安い
竹:性能もコストもそこそこ
松:高級品でコストも高い
ディーラーに行くと
梅:業務用クラス
竹:一般向けクラス
松:プレミアムクラス
が準備されています。
これは人間の心理を利用し
と思わせる戦略です。
実際、松竹梅戦略を行ったところ竹がよく売れるようになったといわれています。
落としどころを決定
ここまでなら妥協できるラインを決めましょう。
最初の商談ですと頑張って安い価格を提示しがちですがそれは間違いです。
購買の立場では
と思う反面・・・
と印象を抱きます。最初の価格や条件がベースとなってしまい今後ついて回ることも。
前回は特別価格で今回は別です。
と言っても納得はしますが心象はかなり悪い。。。
初回は自分有利の条件を提示
妥協点を決めることも重要ですが初めの交渉では自分に有利な条件を提示しましょう。
先方の購買部はどんなにいい条件を提示しても、1回目の条件ではOKとは言いません。
購買部の仕事は交渉ですから、よりよい条件を引き出すためにさらに条件を引き上げるよう交渉してきます。
最初からベストアンサーを出すと自分の首を絞めますので徐々に相手の条件に近づけていくことが
まとめ
いかがだったでしょうか。
交渉事は勝ち負けではないとわかっていても少しでも有利な条件を引き出したいですよね。
今回紹介したテクニックを使えば高い確率で有利な条件を引き出せます。
・商談は15:00以降
・提案や交渉案は3パターン用意
・松竹梅を用意
・落としどころを決定
・初回は自分有利の条件を提示
早速明日から試してみてはいかがでしょうか?
実際は私も安い価格を提示され取引を始めました。しかし、1か月後に値上げの打診があり、かなりもめた記憶があります。結局、価格が折り合わず取引終了となりましたがその後付き合いは全くなくなりました。 目の前のえさにつられた私が悪かったと当時はかなり反省。